道頓堀川に面した喫茶店を舞台に、父と子、男と女、そしてさまざまな形の青春を描く。「泥の河」に続く宮本輝の同名小説の映画化。脚本は野上龍雄と深作欣二、監督も深作欣二、撮影は川又昂がそれぞれ担当。
監督:深作欣二
出演:松坂慶子、真田広之、山崎努、佐藤浩市、 渡瀬恒彦、柄本明、カルーセル麻紀、加賀まりこ、古館ゆき、安部徹
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道頓堀川(1982)のストーリー
邦彦(真田広之)がまち子(松坂慶子)に会ったのは、母の納骨の日の早朝だった。彼が大黒橋の上で道頓堀の絵を書いている時に、足の悪い犬を追ってきた彼女と会ったのだ。邦彦は道頓堀川に面した喫茶店「リバー」の二階に住み込み、昼は美術学校に通い、夕方からは店で働いていた。「リバー」のマスター武内(山崎努)の一人息子・政夫(佐藤浩市)は邦彦の高校時代の同級生であり、日本一のビリヤードの名人になるといい武内と衝突、家を出ていた。武内は納骨を済ませたその日、精進おとしだといって、邦彦を行きつけの小料理屋「梅の木」に連れていった。邦彦はそこでまち子に再会した。彼女は店のママで、もとは芸者だが今は不動産業を営む田村(安部徹)がパトロンだった。その日から邦彦はカンバスにまち子と足の悪い犬の絵を書くようになった。しばらくして犬がいなくなり、邦彦とまち子は道頓堀川筋を探したが見つからなかった。そのお礼にとまち子は邦彦を夕食に誘い、その夜「梅の木」の二階で二人は結ばれた。ビリヤードで次々と勝っていた政夫は試合に必要な金を作るために、まち子にたのんだ。邦彦が学資を払うために高利の金を借り、返済に困っているとまち子をだましたのだった。政夫の裏切りを知った邦彦は「リバー」に置き手紙を残して店を出た。息子の不始末を知った武内は政夫を探して、千日前のビリヤード「紅白」を訪れ、そこの女主人ユキ(加賀まりこ)から政夫が東京まで勝負に出かけたこと、そして、ユキがかつてビリヤードしていた武内にどうしても勝てなかった玉田(大滝秀治)という老人の孫娘であることを知らされる。武内は息子と未来を賭けて勝負しようと思い「紅白」で特訓を始めた。その頃まち子はパトロンと別れアパートを借り、邦彦と生活しようと邦彦を探し、口説いた。邦彦が学校を卒業するまでの二年間だけでいいから一緒にいたいというまち子に、邦彦は大きくうなずいた。「紅白」では東京から勝負に負けて帰った政夫と武内の試合が始まった。試合中に武内は政夫が幼ない頃、ビリヤードのために妻の体を他の男に売り、金を作ったことを告白した。父と子の争いを見ていられなくなった邦彦は外へ出ると、「リバー」の常連のかおる(カルーセル麻紀)が、幇間の石塚(柄本明)に包丁を振りかざしているのを見る。それを止めようと二人の間に入るが一つきに刺されてしまう。帰りの遅い邦彦を待ちながらまち子は窓の外を見ると、いなくなったあの犬がエサを漁っていた。犬を抱き上げ頬ずりするまち子の後を、赤く点滅させたパトカーが、道頓堀の方向へ消えていった。

